第179章

前田南は微かに眉を寄せ、しかし結局は電話を取り、相手の意図を尋ねた。

「何かご用でしょうか?」

望月琛の続く言葉を聞いた瞬間、前田南は胸の内で怒りが沸き起こるのを感じた。

大塚雪見の母親が、前田南が大塚雪見を傷つけたという件で、前田南を訴え出たのだ。

前田南はとうに気づくべきだった。大塚雪見のやることは常に残酷で、その家族もまた善人ではあり得ないということを。

前田南が長い間黙っているのを聞いて、望月琛はすぐに言葉をかけた。

「心配しないで。弁護士をしている友人がいるから、この件は彼に任せたよ。絶対に君に不当な扱いをさせたりしないから」

その言葉を聞いた時、前田南の目から涙がゆ...

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